ドローイングの過程を撮影しました。

いつも完成予想図はわからぬままドローイングをはじめます。
ある程度の構図やバランスは想定するけれど、あとは増殖してゆくがままに描いてゆく。
もしもキャンバスが有限ではなく無限の平面だったら、構図すら想定しないかもしれない。

 

何かが存在すれば流れが生まれる。
描き始めの地点が存在するだけで、あとは流れてゆく。

絶対的な存在など無い状態。

 

これは小さな小さな顕微鏡のセカイでも、
あるいは大きな大きな望遠鏡のセカイでも、
すべてに共通する構造だと思う。

色即是空、空即是色なんてのも
そのような概念をあらわす言葉だね。

 

 

あ、そうだ
いつものように話が飛ぶけど
ぼくは三日月湖が好きだな。

 

三日月湖というのは、
ちょっとした地層や地形の変化によってすこしずつカーブしていった河川が、

気の遠くなるような年月をかけて形を変えて、
最終的には結局、最短の直線ルートが開通して
取り残された川のカーブ部分を、三日月湖というのです。

 

AbukumaGawa20070323

 

Oxbow_lake,Yamal_Peninsula,Russia

 

ほんのすこしの存在

たとえばさ、
小鳥が水辺に食料を探しにきて
飛び立ったときの振動で土がくずれて

それが起因となって、どんどん土が崩れて

川の形が変わって
カーブを描くようになって
中州がくずれて
また川は直線になって

そこにはただ三日月湖が取り残されて

 

原因があって経過があって
因があって縁があって
でも原因も経過もどちらも絶対的に運命づけられたものだったわけではなくて
そこに意味があったわけじゃなくて、ただ偶然そういう流れになって

その痕跡のように三日月のカタチの湖が遺って、
そしてやがてそれも消えてゆく。

 

そういうの好きだな。
好きだよね?わかるよね?

運命なんてぜったいぜったい信じない
偶然のことが大好きだよ。

 

 

石井七歩 / Naho Ishii

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