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You are currently viewing 【2023.4.06〜5.06】石井七歩個展・IDEAL RED(東京・日本橋人形町)

NAHO ISHII
SOLO EXHIBITION

IDEAL RED

2023.4.6〜5.6



展覧会詳細▶︎ http://tagboat.co.jp/naho-ishii-ideal-red/

開催期間▶︎ 2023年4月6日(木) ~ 5月6日(土)

営業時間▶︎ 11:00-19:00
休廊日▶︎ 日月祝 ※4月14日(金)・4月15日(土)は休廊

会場▶︎ tagboat
〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町7-1 ザ・パークレックス人形町 1F


この血液の赤は、
いったいどこから来たのだろう。

血の赤は赤血球の赤だ。そこに含まれるヘモグロビンの赤だ。ヘモグロビンは鉄を中心にできている。すなわち、血の赤は鉄の赤だ。

鉄はどこから来たのだろう。
地球の重さの3分の1は鉄だ。ここは鉄の惑星だ。
どうやらこの宇宙では、1000万光年もの広い範囲で、鉄の存在する割合がほとんど均一なのだという。ばらつきが全然ない。それはなぜなのか。

宇宙がもっともっと小さかった100億年前、星たちの中で鉄(重元素)がつくられた。その星たちが死ぬときの超新星爆発によって、鉄は宇宙中にまき散ちらかされていく。だから、いまの宇宙に広がるほどんどの鉄は、その時代に大量に散らばったものらしい。100億年前に生まれた鉄が、膨張する宇宙の中で、よくかき混ざぜられていったのだ。

むずかしくなってきた。
じゃあ今この目に映る鮮烈な赤の感覚は、100億年前からやってきたものなのだろうか。
私の中の赤や、きみの身体の中の赤は、100億年前の星たちの死から、ずっとつながっているのだろうか。

かように赤は特別だ。
ここ5年の私はずっと、空想的な赤、理想的な赤、観念的な赤を追いかけている最中だ。私は追っているその赤に『IDEAL RED』と名付けた。この展覧会は、その中間発表会である。

石井七歩